皆様 はじめまして。
11人目の隠しキャラです。
私は、基板実装を自社で実施しつつ、社外委託も行っている企業で働いています。
自分で分析もしますが、社内の分析専門部隊や社外への委託を行う場合があります。
品質トラブル、分析技術、信頼性、材料をキーワードに情報発信したいと思います。
全ての仕事は人と人の繋がりで成り立っていると私は考えています。
なので初回は、「意思疎通」について記載します。
こんな発言の経験は無いですか?
(A)生産技術担当者相手に
「挿入部品(LED)を手はんだする際、熱で壊れるのが心配です。
手はんだ時の温度を測っておいてください。」
(B)分析委託相手に
「この不具合がある実装基板に付着している異物をSEM(EDX)で分析してください。」
貴方が期待した結果が返ってくるでしょうか?
貴方が受ける側なら、どんなアクション起こしますか?
(A)
ざっと、考えて4パターンの答えが返って来る可能性が有ると筆者は考えます。
①はんだごての設定温度
②はんだ付け部の温度
③素子近傍の温度
④素子内部の温度
LEDの部品故障を懸念しており、一番弱いのは素子内にあるボンディング部です。
なので、出来るだけ④を測定できるのが理想です。
但し、前加工が煩雑なので③で代用するのは有りだと思います。
(④よりも③の温度の方が高く、その温度で問題なければ安心できるから)
しかし、温度が高い部分を気にして②を測ったり、
(測定が面倒で)手っ取り早く①を回答してくるケースも有るでしょう。
測定箇所も含めて答えが来れば良いですが、
温度だけ回答が来てしまうと、判断を間違うかもしれません。
相手のレベルに応じてどこまで詳細に説明するかを考える必要が有ります。
(B)
(A)で詳細に説明するという話でしたが、
この指示は詳細に決め打ちしすぎだと筆者は考えます。
ご存知の通りSEM(EDX)は、有機物分析には不向きです。
はんだ屑なら見れますが、フラックス、樹脂破片、繊維屑などの場合は
判断が出来ないのです。
「どういうサンプルの素性なのか」「どんな物が付着していると想定できるのか」を
まずは伝える必要が有ります。
そして、「どういった手段が適切なのか」を相手と良く相談し、
ベストな手段で、正しい結果を得るのが大事です。
それを踏まえて以下どうでしょうか。
自分 :「ポストフラックス中のハロゲン濃度を教えてください。」
材料メーカー :「300ppmです。」
知りたい答えを入手できましたか?
一般に材料メーカーは材料における含有率を答えます。
つまり分母は、溶剤も含めたフラックス材料における含有率です。
一方で、フラックス残渣に含まれるハロゲン濃度は、
固形分比率が10%の場合、単純計算で3,000ppmになるわけです。
お互いの基準が合っているか、知りたい事は何かを常に意識しておきたいですね。
隠しキャラなのでお目にかかれる機会は少ないかもしれませんが、
これからも宜しくお願い致しますm(_ _)m
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