技術職とか技能職とか、よく聞くけれども、いまいち違いがよく分からない。
実際に業務の違いは何か?
ついでに給与やキャリア形成は、どうちがってくるのか?
今回は、こういった疑問にお答えしていきたいと思います。
これは、メーカーなどの製造業に携わった事のない人には、当然の疑問かもしれませんね。
なるべく分かりやすく説明していきます。
※動画でも解説しています。
■技術職は間接作業、技能職は直接作業
今回の解説を読み終わる頃には、技術職と技能職の違いや、自分がどちらに向いているか、が分かるようになっている事と思います。
また、技術職と技能職の働き方の違いから、自分が得意な働きかたが分かるようになるでしょう。
将来に伸ばしていきたいキャリアも分かるようになるでしょう。
ひと言で違いを言ってしまうと、
技術職は間接作業、技能職は直接作業、
になります。
■間接作業とは
製造業においての間接作業とは、設計や研究開発など、直接的にはその製品に携わりませんが、品質やデザインなどを担当している人たちの事です。
所謂、総合職になりますので、ジョブローテーションの対象になります。
ジョブローテーションとは、社員に対して一定の期間で複数の部署を経験させる事で、社内製品の様々な理解を深める事を目的とした、人材育成システムの事です
最近では、技術営業などの重要性も増している事から、更にものづくりの現場から遠い部署へ移動する、といった事も多くなりつつあります。
ジョブローテーションについては、また別の機会で詳しく説明したいと思います。
■直接作業とは
一方、直接作業とは、工場内のラインでの仕事がメインになります。
製品を組み立てるなどの、直接的な手作業から、装置をオペレーション(操作)する作業など。
一見、誰にでも出来る仕事のように思われがちですが、そんな単純な仕事ばかりではありません。
製品を作る為には、様々な設備が必要です。
その装置をメンテナンスする仕事、保全業務も技能職が担当しています。
これには、メカニックな知識、所謂メカトロニクスの知識と技能が必要です。
保全業務には知識学習と、経験学習の両方が求められます。
しかも、その技能は数年かけて培うものなのです。
そのほかにも、製品の生産管理を行う仕事があります。
これには、納期と受注量に応じた生産計画が必要です。
ちなみに製造業において、生産管理は
経営の根幹となる、重要な管理要素のひとつ
と言われています。
生産を管理するだけでなく、製造工程全体を総合的に管理する活動になります。
最近では、この生産管理をシステム化し、コンピューター管理を導入する企業も多いですが、多くの会社がうまくいっていないようです。
というのも、生産管理とは生産を管理するだけでなく、実に多くの内容が含まれるからです。
例えば、製造するのに必要な、原材料の調達と在庫量。
需要である注文量と、供給である生産量のバランスの調整。
スケジュールの調整や、在庫量の増減。
製造した製品の品質管理など。
少し例を挙げただけでも、多くの内容が存在する事が分かって頂けたと思います。
更に人間である、作業者の管理も行うわけですから、如何に大変か想像しやすいでしょう。
コンピューター管理が、うまくいかない理由が理解しやすいかと思います。
生産管理についても、また別の機会に詳しく説明したいと思います。
■製造業は人間関係が楽
ここまで読んだ方は、おそらく。
「うわー!なんだかどちらも大変そうな仕事だなぁ」
こんな感想になるかもしれません。
ですが、安心してください。
確かに、技術職も技能職も、どちらも大変な仕事があるのも事実です。
しかしそれは、どんな仕事においても同じです。
例えば、サービス業などのお客様相手(客商売)の仕事は、どうでしょうか?
ひとりひとり、性格も、考え方も、その日の機嫌も違うお客様に、分け隔てなく接客する事も、ものすごく大変だと思います。
人間ですから、印象的に好き嫌いもあると思いますし。
製造業の場合は、接客業にみられるような苦労はありません。
基本的に人と関わる頻度は、他の業界と比べて少ないのが特徴です。
頻度が少ないと言っても、社内の人間関係については、どの業界でも存在しますので、そういった意味ではありません。
製造業の場合は、
最終ユーザーであるお客様と直接顔を合わせる事が無い
という意味です。
ですから、直接的なクレームは、社内の別部署である、サービスや営業が担当します。
ちなみに、
どんな技術職があるのか?
どんな技能職があるのか?
を調べるには、転職サイトを覗いてみるのが、手っ取り早いです。
実際に転職しなくていいです。
転職しないつもりで探すのですw
転職しないのに転職サイトを見るって、なんだか矛盾してますが
意外に楽しんで調査する事ができます。
※50万以上保証!なんてのもあります。
募集内容や、募集している会社の事を調べていけば、どんな仕事かの想像は付きやすくなるものです。
実際に何十社と見ていくと、何となく業務内容が分かってくるから不思議です。
本当に良い会社を見つける事ができたら、、、
それはラッキーなので、チャレンジしてみるのも良いかもしれません。
■技術職と技能職に必要な学歴
イメージとして技能職は高卒、技術職は大卒や大学院卒、そんなイメージもあるかもしれません。
しかし、その考えは間違いです。
実際に、私は大学は出ていません。
注記、ここで言う「私」とは、この解説をしている中の人の事です。
私は大学を出ていませんが、技術職(エンジニア)として、
大手電機メーカーや自動車部品メーカーで働いておりました。
その後、2004年に技術コンサルタントとして起業して、フリーランスとして独立しております。
ですから、大学を出ていなくても技術職を目指す事を、諦めなくても大丈夫です。
●高卒で技術職を目指すのは無理ゲー?
ここまで聞いたかたの多くは、こう思うかもしれません。
「いやぁ、そんな事言ったって、高卒で総合職を目指すのは無理ゲーなんじゃない?」
結論から言うと、これは完全に間違っています。
確かに、高卒で技術職などの総合職に就くのは、狭き門かもしれません。
しかし、全くの無理ゲーかというと、そうでもありません。
これから技術職や技能職を目指している学生さんに向けて、いくつか例を出しましょう。
・学生時代に多くの資格を取得するのは有利です。
・工業高校や高等専門学校を卒業していれば、チャンスも多いでしょう。
・そのほかにも、学生時代の部活で、ロボット部に所属したとか。
・しかも、ロボカップやロボットコンテストに出場した、など。
そうした経験や、その部活で担当していた事が有利に働く場合があります。
例えばプログラミングを担当していたなら、ITエンジニアを目指してみるのも良いかもしれません。
ロボットのデザインを担当していたのなら、Webデザイナーなど。
このように高卒であっても、総合職である技術職を目指すのは決して無理ではないのです。
ちなみに、この記事の中の人の息子(つまり、私の息子)は、
小学3年生からロボット教室に通っています。
小学校高学年になると、
早くもプログラミングの基礎を始めるようですよ。
若いうちから、社会に役立つスキルの勉強ができる。
今はそんな時代です。(私の頃には無かった…)
若いだけじゃなく、社会人でもオンラインで学習できる時代です。
例えば、プログラミングなんかはオンライン学習が多いですよね。
このスクールなんかは、月額プランのほかにも、買い切りプランがあります。
自分の時間の都合で学ぶなら、買い切りの選択も良さそうです。
■まとめ
今回は、技術職と技能職の違いについて説明しました。
おおよその違いは理解できた事と思います。
ですが、こんな疑問も生まれた人も居るかもしれません。
「給与やキャリア形成の違いは?」
「学生はいいけど、転職するにはどうすれば良いのか?」
こういった疑問に対する答えは、また別の記事で紹介していきたいと思います。
それまでの間に、少しでも前に進みたい。
何か考えるきっかけが欲しい。
という方は、こちらの記事を見てみるのも良いかもしれません。
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