鉛フリー(Sn-Ag-Cu系)のはんだの表面は。共晶はんだとは異なり一般的にざらついていると言われます。
多くの人がそのように理解していることと思います。
はんだ表面のざらつきと言っても、2種類あり、1つめは白い斑点のようなものと、表面が凸凹したものがあります。
今回は前者のざらつきについて、書きたいと思います。
では、なぜはんだの表面が白い斑点のようにざらつくのでしょうか。
鉛フリーはんだは、3つの合金で、液体の状態からゆっくり冷え固まる際に、固液共存領域で、針上のSnの結晶やAgを含む結晶が表面に出てくることでざらつきがでると言われています。
一般的な鉛フリーはんだの融点は、217℃~220℃(もしくは219℃)と表示されています。
この3℃の領域が固液共存領域です。現実には過冷現象がおこっていますので、固液共存領域はもっと広い温度範囲であると思われます。

添付の写真は、冷却速度を変えて実験した結果です。
実験は簡単で、銅板にソルダーペーストを載せてホットプレートで加熱し、はんだが溶けた後に冷却させました。
冷却速度を変えることではんだ表面のざらつきに変化があるのが見てわかるでしょうか。
強制的に冷却した場合の方が、自然に冷却した場合と比べて、表面がなめらかになっています。
実際の実装現場でも同様のことが起こっていますので、冷却速度を速めることではんだの表面状態は変化します。
外観の見栄えを改善したい場合は、冷却速度を変更すると効果があると思いますので、試してみてください。
次回はフラックス効果によるはんだ表面のざらつき(凸凹)の変化について書きたいと思います。
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