あけましておめでとうございます。
品質解析編担当の中嶌です。
今回は品質解析ではなく、品質解析に入る前の段階、製品を作ってもらう工場を選ぶ
段階でよく使用される指標、工程能力指数について説明します。
【工程能力指数ってなんだ?】
筆者は新入社員時に工程監査に行きました。その際工場の人たちが
工場の方「うちの工程能力指数は1.33以上で~~」
先輩「ふむふむ・・なるほど!」
みたいな顔で話を聞いていました。先輩はなんとなくわかっているようです。
もちろん(?)筆者には彼らの話している宇宙語に聞こえています。まったくもって分からん笑
その場できいたものの、あまり分かりやすい説明は得られませんでした。なので自分で勉強することにしました。
【工程能力指数Cpkとは】
では本題に入ります。JISによればCpkとは
「特定の規定された公差を工程能力6σで割った値」です。
6σ?なんやそれ??う~んわからない・・・(><)JISさんほんと不親切・・・
そこで、私なりに、Cpkとは!を一言で言うと
製造ラインがどれだけ安定的に物を作れるかという指標
であると理解しています。
製造ラインではものを安定的に、よりばらつきを少なく出すことが求められます。
例えば100Ωの抵抗があったとしましょう。これは本当に100Ωかといわれると
実際の製品では±X%誤差があることがカラーコードで記載されます。
つまり、製品には必ずばらつきがあるのです。ばらつきはもちろん上限・下限の値が
各社で決められています。
そこで頭のよいかたが
「じゃあうちの会社の製造ラインはどれくらいばらつき少なくものづくりできてるんだろう??」
と考えたわけです。いやいや出来栄えで確認したらええがなって?
いいですね!でもそれって人によってOK/NGの判定かわりますよね!
なので数値基準で自社の製造ラインはこんだけ安定的に物作れるぞ!!って判断可能な
指標があればこの会社には安心してもの作ってもらえるなぁと解るわけです。
うちの先輩がふんふんと言って聞いていた工程能力指数にはこんな意味があるんやなぁと
理解しました。
余談ですが、ついでにQC検定も取得しましたので、もう件の宇宙語にもついていけます^^
【6σってなに??数式からみる工程能力指数Cpk】
Cpk={(上限規格値)-(下限規格値)}/6σ
です。上限下限の規格値は製品がその範囲内に収まって製造されているかを示すのでイメージがつきやすいと思います。
上図のUCL点線から、LCL点線までの範囲ってことです。
じゃあ6σてなんや!!となるわけです。
さいころをふった時、でる目の確率はすべて1/6です。
であれば、出目の値はなにが一番多く出そうでしょう?
(1+2+・・・+6)/6=3.5でおおよそ4になります。
これをグラフ上で数千回やってプロットしたのが上のような正規分布と呼ばれる図です。
製品も安定的に作られている場合、狙っている中央の値(前の例でいうと100Ω)
を中心に製品の値がばらつくことになります。
6σ(±3σ)とはこの分布で言う99.7%をカバーした範囲に、製品が製造される確率を表しているのです。
ちなみにσなら67%、2σなら95%です。
6σで割るんや!と覚えておくより、製品が製造される確率が6σだと99.7%なんだ!
と覚えておく方がイメージしやすいと思います。
【さいごに】
今回は工程能力指数について説明しました。
どんな会社でも、製品を作る際にばらつきはでます。
その会社の製造ラインがどの程度安定的に製品を作っているのかの良否判定の際によく用いられる指標として、工程能力指数があるんだ!という事を
覚えていただければうれしいです。
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