品質解析担当の中嶌です。
皆さんご存知のように、電子部品は熱に弱いものが多く、熱設計で手を抜くと信頼性が著しく低下します。
規定値に収まっていたとしても、部品は温度が高いほど寿命が短くなることは良く知られています。
電子部品の発熱は素子のジャンクション温度の最大である125、150度以下に抑えれば大丈夫でしょうか?おそらく、すぐさま故障にはなりません。しかし、1年後動いていうかといえば・・・かなり不安です。
そこで今回は、電子部品の温度が上がることの問題点と対策を説明します。
【電子部品の温度が上がることの問題点】
デバイスの温度が上がることで以下の2点が主に問題とされます。
①寿命低下・故障率増大
アレニウス則という、信頼性の試験に携わる方にはよく知られた法則では、
温度が10度上昇すると寿命は半分、故障率は2倍といわれます。
②繰返し応力による接合部の破壊
頻繁にONOFFを繰り返す素子は、発熱により素子自体が膨張収縮をくりかえします。
さらに、はんだ部も温度が上がれば、基板の熱膨張係数、素子の熱膨張係数の差に よってはんだ接合部にクラックが入る可能性もあります。
したがって、極力温度を上げない工夫が必要です。
【放熱すべき目安】
部品一個当たり1Wを超える場合や放熱経路が貧弱な場合、
Tj(ジャンクション温度)がチップの接合部温度が規定値内か確認し、放熱対策をとる
ことが推奨されます。
【放熱が必要ではない場合】
基板上に1cm^2の面積の発熱部品を数センチ程度のプリントパターン上に置く場合、無風状態で1W以下が特別な熱対策が必要ない目安といわれます。
【放熱対策方法】
対策として主に以下の3つがよく使用されます。
①放熱に必要な面積のベタパターンを置く
②放熱面積を増やす
例)パターンにViaをあけ、裏面の銅版も使用して放熱面積を稼ぐ
③風で素子を冷却する
例)冷却用の開口部を作る
今回は電子部品の熱による問題点と放熱対策について、説明しました。
次回は素子内部温度の具体的な見積もり方を説明しようと思います。
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