品質解析編担当の中嶌です。
自作リフロー編をちょっとお休みして、今回ずっと考えている、はんだの寿命予測について、私の考えを覚書していこうと思います。
Pbフリーはんだにはコフィン・マンソン則はなりたたない?
ちょっと大げさなのですが、正確にはコフィンマンソン則にのらないサンプルがおおくなったというのが正しいんじゃないかと考えてます。
有鉛はんだ時代では、はんだの寿命予測に、モデルとして、コフィンマンソン則を当てはめると、精度よく寿命が求められました。
しかし、Pbフリーになった結果、このモデルにのらないサンプルが多くなった。。。
ん~~なんでやろう??ほんまかなぁとおもい、ちょっと理屈を考えてみます。
Pbはんだ:力を加えても、もちのように力を分散させる(塑性変形)
Pbfreeはんだ:強度がアップした結果、Pbフリーの時代よりも、塑性変形しにくくなった。(もち・硬くなったけど、一気にひび入る)
ですが、合金層はよわいまま。耐えられる力がUpしたものの、合金層の弱さは据え置き
つまり、強度が弱い部分が、いままで、力を分散させてくれていたPbがなくなったことで、より大きな力にPbフリーはんだ自体はたえられるが、その力は強度が弱い合金層にもダイレクトに加わり、弱い合金層部分が壊れる(脆性破壊を起こす。)
こんな理屈を考えました。^^
ん~~~なにいってるかわかんない!!って思った人には
難しい御託は置いといて、私のイメージをお伝えすると、
今までの
有鉛はんだはもち
Pbフリーはんだはベニア板と考えてます。
もちは、べニアに比べて、強度は弱いのですが、引っ張ってももちもちしてるので(別にギャグではない)力を分散してくれます。
べニアは一時的な力にはもちより、断然強いですが、ある一定以上の力を加えるとベキっと折れますよね。
べニアはどの部分が折れるかというと強度的に一番弱い部分です。
もちは、徐々に伸びてプチんとちぎれます。
なにが言いたいかというと、力を加えると、徐々に先細り(クラック)がのびるのか、一気にこわれちゃうか?の違いが両者にあるという事です。
コフィンマンソン則は持続的応力により、ひずみ振幅一定をモデルの前提としてます。
まあ近似的にS-N曲線を求めてるわけですが、Pbフリーのように、歪の振幅が一定じゃない場合、近似があわなくなるんじゃねーの??
ってのが、コフィンマンソンが使えなくなってきた理由かと思います。
次回は、じゃあ新たな寿命予測モデルのどのようにしていったらいいか??を検討します