品質解析の若手担当中嶌です。
今回お話しするのは、信頼性試験をする際に供試品(試験サンプル)はいったいいくつ必要なんだろう?というおはなしです。
じつはこの疑問を先日、先輩と話していました。
先輩「一般的にはよく、供試品22個いるって言われるよね」
私「ですね」
先輩「なんでやろね?」
私「はぁ・・・ズズズ・・・(ココアを飲んでいる音)」
先輩「いくつサンプルいるかって考えてみたらおもしろいかもね」
私「あー考えてみます。ズズズ・・・」
というわけで、ココアがおいしい季節・・・・ではなくサンプル数について、サクッと簡単に高校生でよく使う数学レベルでお話ししようかと思います。
【疑問点~サンプル数はなんで22個か~】
先輩の疑問は22個という数字がどこから出てきたのか?ということです。
上のお菓子も22個入りです。どうでもいいのですが。
とまあ、今回難しい説明は、確率統計という学問を勉強してもらうとして、高校数学を用いて、おかしのようにサクッとサンプル数が22個である証明をします。
その前に次の2つのポイントだけは覚えておいてほしいです。
①信頼性水準Cl
②故障率 p
信頼性水準とは、学術的には、「平均などの母数が信頼区間に含まれる確率」を示します。
はい、なんのこっちゃですね。なので私のイメージをお伝えします。
信頼性水準とは、「その結果がどれだけ正しそうか」を示す!
です。
例えば「X時間の試験で供試品の故障しない」という事象がどれだけ信頼がおけそうかを考えてみます。
故障してないと判断 | 故障してないと誤判断 (実は故障してる) | |
信頼性水準(Cl) | 90% | 10% |
ものすごーく優秀な検査員が「この供試品は故障してない!」と判断して、それが90%正しいとします。しかし!この検査員も人間なので、ねむいときもあります。ときどき判断を間違えちゃうわけです。それが10%あるとしましょう。
要するに信頼性水準とは、どのくらいの確率で、この検査員が判定を間違えていないか?を示します。
故障率pは、ご想像どうり、その供試品が壊れている確率です。
【高校数学でサンプル数22を導出】
物が壊れている確率は
(検査員が故障してないと誤判断した確率)=(実際にモノが壊れている確率)
といえます。
高校数学で習ったC(コンビネーション)という記号を使えば、
物が故障している確率はnCx(1-p)^(n-x)(p)^x
とあらわせます。(細かい数式は以下の画像を確認してください。)
とまあこれで必要なサンプルnが算出できたので、この数式に、Cl=90%、p=10%を数値代入しましょう!
すると・・・
n=22になりました!
つまり、22個のサンプルは、信頼性水準90%で故障率10%としたとき必要なサンプル数なのです。
22という数字ばかり追いかけちゃいますが、意味を理解すると
「故障率10%の供試験品を22個試験したら、90%その結果が正しいらしい」
っていえるんやなぁと理解しました。というわけで、別に22個供し品がいるかと言われれば
そうではないのです!みなさんのサンプルの故障率、必要な信頼性水準によってサンプル数を選びましょう~~^^
【余談】
とまあ、22個は導出したものの、新たな課題、じゃあ何時間試験したら統計的に保証できるんやという疑念がわきました。信頼性試験には打ち切りが付き物ですが、ここら辺をもう少しイメージわいたら報告します。
私たちは人気ブログランキングに参加しています。
我々の活動を応援して頂ける方は下のlogoをポチっとして下さい。
チャリティーご協力のお願い
私達は実装技術に関する情報発信を行っております。
また、無料公開セミナー等を、計画しております。
ご協力頂ける方、ご支援頂ける方は、以下のチャリティー商品の検討をお願いいたします。
はんだ付け教材のご紹介
1) 全10回の講義内容・・・35スライド分の教育用テキスト
2) テキストの解説書(47枚)付き・・・約55,000文字
3) 講義動画・・・約126分(1回あたり12分)
仕事が終わった後からでも、充分に成長できる構成になっています!
評価基板のご案内
1.評価用基板
2.各種データ(ガーバーデータ、CADデータ等)
※①図研 CR-5000 Board Designer ②図研(YDC製) CADVANCEαⅢ
作成のバージョンは13です。もしくはDXFファイルに変換して確認してください。
3.設計のコンセプト資料
※設計理論についての資料(12p)をpdfファイルで送付します。
ご購入は以下からか、直接お問い合わせください。